その他情報/文化/柔道(じゅうどう)の歴史

2004年1月現在、日本の柔道選手といえば、男子100s級の井上康生、女子48s級の谷(旧姓「田村」)亮子などが有名ですが、1964年の東京オリンピックで正式種目(男子のみ。女子は1992年のバルセロナオリンピックから)とされたのを契機に世界中に広まっている柔道は、元々日本で生まれたものです。

日本では、武士が国を納める武家社会が12世紀以降19世紀まで続きましたが、この時代に武士の鍛錬法の一つとして柔術が発展し、数多くの流派が生まれました。しかし、1868年に武家社会が終わり明治維新を迎えると、日本人の生活様式に欧米の文化が取り入れられるようになり、古くからの柔術は衰退しつつありました。

この柔術の危機を救ったのが柔道の創始者として知られる加納治五郎(かのうじごろう)です。加納は、旧来の柔術各流派の優れたところを集めるとともに精神修養の要素を加えて、1882年に講道館柔道を創始しました。

現在の講道館(1984年、東京都文京区春日に完成)は地上8階、地下1階のビルに道場、資料館、会議室、宿泊室などを備えた立派なものですが、誕生したばかりの講道館(現在の東京都台東区下谷)はお寺の庭に構えた12畳の道場で、門下生はわずか9人であったといいます。

柔道普及のため、嘉納は1889年に初めてヨーロッパへ渡りました。船中、からかってきた外国人を投げ飛ばし、その際、頭の下に手を差し入れて相手のケガを防いだエピソードは有名です。柔道が技の合理性に加え、相手を思いやる精神性も兼ね備えていると評判になりました。

現在、国際柔道連盟(IJF)に加盟している国と地域は187となっていますが、同連盟の規約第1条には、「IJFは加納治五郎により創設されたものを柔道と認める。」と明記されています。


●柔道のルール

畳の上の9メートル四方の枠内で、投げ技や固め技を使って相手を倒すことを競います。投げ技として、手技[5種類]、腰技[11種類。ただし、抱上(だきあげ)は、試合では有効な技とみなされない。]、足技[21種類]、真捨身技(ますてみわざ)[5種類]、横捨身技[15種類。ただし、河津掛(かわづがけ)は、禁止技]の合計67種類、固め技として、抑込技(おさえこみわざ)[7種類]、絞技(しめわざ)[12種類。ただし、胴絞は、禁止技]、関節技[10種類。ただし、足緘(あしがらみ)は、禁止技]の合計29種類が定められています。

制限時間内に技が見事に決まった場合は「一本勝ち」(いっぽんがち)となりますが、制限時間切れの場合は優勢な者が勝ちとなります。


☆柔道クイズ☆

現在、柔道は世界中に普及していますが、柔道の競技人口が最も多い国は次のうちどこでしょうか?正解は次回に掲載します。

1 日本  2 韓国  3 アメリカ  4 フランス  5 ロシア

【前回の相撲クイズの正解】
正解は、「3 小錦八十吉」です。ハワイ出身の小錦八十吉は大関までで横綱には昇進していませんが、同姓同名の第17代横綱がいます。





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